センサーカメラの撮影画像による東京大学秩父演習林のクマ剥ぎ行動の解析

DOI
  • 石橋 整司
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林千葉演習林
  • 前原 忠
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of bear bark stripping action using video pictures in the Tokyo University Forest in Chichibu

抄録

<p>ツキノワグマによる人工林の剥皮被害(クマ剥ぎ)は、材価の高い元玉部分に被害が発生し、しばしば複数の樹木が同時に被害にあうことから林業的にも森林管理的にも問題が多い。クマ剥ぎの防除方法についての研究も行われているが、クマ剥ぎの現場を観察することが難しいため十分な対策を検討するにはいたっていない。そこで1950年代からクマ剥ぎが発生している東京大学秩父演習林において平成20年8月から約0.1haの狭い範囲に集中的に自動撮影カメラを設置してクマ剥ぎの撮影を試みた。その結果、平成25年6月、平成29年7月、平成30年6月の3回にわたってクマ剥ぎの動画を撮影することができた。3回の動画を分析した結果、爪と歯を使って横向きまたは縦向きに剥皮すること、剥皮した部分の下の木部表面を歯と舌を使って摂食していること、1本あたりの加害時間は5分程度であることなどがわかった。また、母グマと行動を共にしている仔グマは母グマの剥皮行動を真似て剥皮を覚えている可能性があること、仔グマが成長するにつれて剥皮行動が上達していく可能性があることなど、クマ剥ぎ行動を個体間で受け継ぐために被害が長期化すると考えられる行動も見られた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238089120768
  • NII論文ID
    130007645838
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_675
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ