タイにおける森林管理の地方分権化-森林政策の歴史的アプローチ

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タイトル別名
  • Decentralization of forest management in Thailand -historical approach on forest policy

抄録

<p> 本発表では、タイで30年にわたって迷走している森林管理の分権化の過程を歴史的にたどり、新しいアクターとして地方自治体の登場が与える影響を取り上げる。タイでは19世紀後半から中央集権の森林管理が行なわれてきたが、1980年代からは保護林の指定などによって森林の利用を制限された住民と対立を繰り返してきた。その争点にあったのが、日常的に利用する森林をコミュニティ林として住民が自ら管理できる制度の確立であったが、未だにその法制化にはいたっていない。管理の分権化が迷走する要因には国家と住民のそれぞれの主張のずれがあった。これまでの議論では中央政府から住民組織への権限の移譲を前提としていたが、1990年代以降に勧められた農村地域の地方分権化政策に伴って地方自治体が設立され、森林管理においても新しいアクターとして注目されている。しかし、自治体が国家と住民の中間役として管理に参加しているチェンマイ県メーター区の事例では、自治体の関与によって国家と住民のずれが複雑化し、管理の分権化を阻んでいる可能性が示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238090837504
  • NII論文ID
    130007645079
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_11
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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