TKA術後感染とaseptic looseningの鑑別に難渋した1例

  • 川内 健寛
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科運動機能修復学講座整形外科学
  • 今村 勝行
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科運動機能修復学講座整形外科学
  • 中村 俊介
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科運動機能修復学講座整形外科学
  • 藤元 祐介
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科運動機能修復学講座整形外科学
  • 廣津 匡隆
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科運動機能修復学講座整形外科学
  • 栫 博則
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科運動機能修復学講座整形外科学
  • 谷口 昇
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科運動機能修復学講座整形外科学

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説明

<p>本邦で施行されるTKAの約3%が再置換術である.2大要因は人工関節周囲感染(以下PJI)とaseptic looseningである.今回我々は両者の鑑別に難渋した症例を経験したので報告する.症例は78歳女性,右変形性膝関節症に対し近医にてTKA施行され術直後は経過良好であったが,術後3年で右膝痛と腫脹が出現,保存的に経過観察とされていたが徐々に増悪,術後7年でPJI疑いで紹介受診となった.採血データでCRP陽性・ESR亢進,CT・MRIにて膝蓋上嚢にリング状エンハンス,シンチグラムでの集積亢進を認めたが,関節液所見は細菌培養陰性,好中球数90/ul,分画11%,α-defensin陰性であった.関節液所見を重視するMSIS(Musculoskeletal Infection Society)のPJI診断基準5)に準じPJIを否定し再置換術を施行した.PJIの診断には関節液所見が重要である.</p>

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参考文献 (1)*注記

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