遺伝学的検査結果開示に関し意志決定が困難であった<I>BRCA2</I>変異陽性乳癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Psychological Resistance to Receiving <I>BRCA2</I> Mutation-positive Results—A Case Study—
  • 症例 遺伝学的検査結果開示に関し意志決定が困難であったBRCA2変異陽性乳癌の1例
  • ショウレイ イデンガクテキ ケンサ ケッカ カイジ ニ カンシ イシ ケッテイ ガ コンナン デ アッタ BRCA2 ヘンイ ヨウセイ ニュウガン ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

66歳,女性.左乳癌の診断にて左乳房部分切除(Bp)+腋窩リンパ節郭清(Ax)施行した.本人(クライエント),娘(一卵性双生児姉)より,血縁者に乳癌や卵巣癌が多いことが不安との相談を受けた.詳細な家族歴聴取より,第一度近親者に乳癌1名,卵巣癌3名,前立腺癌1名が判明した.クライエントには一卵性双生児娘あり,妹は既に乳癌を発症していた.クライエント,一卵性双生児姉に対して遺伝カウンセリングを行った後,BRCA1/2遺伝子発端者向け検査を行ったところ,BRCA2,c.9118-2A>G変異が同定された.クライエントは遺伝学的検査結果の聴取を拒否した.結果は一卵性双生児姉に開示した.その後,クライエントは結果の開示を希望しないままであったが,実姉が卵巣癌再発で死亡したことをきっかけに,初回のカウンセリングから10カ月後,遺伝学的検査からは6カ月後,結果を開示した.遺伝学的検査を受けるクライエントの心境は常に揺れ動いている.遺伝カウンセリング担当者はクライエントならびに家族への対応を継続的に行っていく必要があると思われた.

収録刊行物

参考文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ