O-2-C08 重症児デイサービスにおける療法士配置の工夫

DOI
  • 小松 真一
    一般社団法人Re Smile りすまいるリハビリセンター 一般社団法人全国重症児デイサービス・ネットワーク
  • 原田 隆之
    一般社団法人Re Smile りすまいるリハビリセンター 一般社団法人全国重症児デイサービス・ネットワーク

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タイトル別名
  • −求人広告費ゼロで療法士を確保する!−

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抄録

目的 主として、重症心身障がい児を対象とする児童発達支援・放課後等デイサービス(以下、重症児デイ)においては、許認可に療法士の配置が義務付けられている。しかし、小児領域の療法士は少なく、人員配置に苦労する事業所が多い。一般社団法人Re Smile(りすまいる)では開所以来、求人広告費を掛けずに療法士を常時配置し、現在3カ所の事業所を展開する中においても、安定して療法士を確保できている。その工夫を紹介し、全国の重症児デイにおける療法士確保の一助となることを目的とした。 方法 多くの事業所では、管理者と児童発達支援管理責任者を兼務するが、りすまいるでは、2カ所の事業所でPTが管理者を兼務し、医療的ケア児のみを対象とした1カ所の事業所では、看護師が管理者を兼務している。また、非常勤の療法士は、クリニックや養成校に所属する者がシフトを組んで各事業所に勤務し、当施設の常勤療法士もクリニックや養成校に非常勤として勤務し、お互いを補完している。さらに、養成校からの実習生の受け入れや、定期的な勉強会により、教育・啓蒙にも力を入れている。 結果 専門職が管理者を兼務することで、各施設の特色が活かされ、職員にも責任感と同時にやりがいにもつながっている。また、管理者兼務により給与面にも配慮が可能となった。小児リハビリに敷居を感じる療法士が多い中、非常勤から始め、常勤療法士が指導することによって、その後の常勤療法士確保につながり、現在はPT・OT・STを安定して配置できている。 結論 小児分野を専従とするPTは、日本理学療法士協会(2014年6月現在)によると、93273名中1045名(約1%)とわずかである。この中から 療法士を確保するのは難しく、今回は新たな方法を提示した。福祉サービスにおける地域特性はあるが、少しでも参考となれば幸いである。われわれもさらなる改善を模索し続け、社会への発信を続けたい。

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