シロアリ防除剤クロルピリホスとS-421の室内汚染調査(2007年から2016年)

  • 渡邊 美咲
    武庫川女子大学大学院生活環境学研究科食物栄養学専攻
  • 水島 亜樹
    武庫川女子大学大学院生活環境学研究科食物栄養学専攻 現所属:(株)新日本科学PPD
  • 吉田 精作
    武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科

書誌事項

タイトル別名
  • Concentration of chlorpyrifos and S-421 residues in polished rice stored in houses as an index for residential exposure to termiticides
  • シロアリ防除剤クロルピリホスとS-421の室内汚染調査(2007年から2016年) : 貯蔵精白米中濃度を指標として
  • シロアリ ボウジョザイ クロルピリホス ト S-421 ノ シツナイ オセン チョウサ(2007ネン カラ 2016ネン) : チョゾウ セイハク ベイチュウ ノウド オ シヒョウ ト シテ
  • ―貯蔵精白米中濃度を指標として―

この論文をさがす

抄録

居住者へのシロアリ防除剤暴露について, 室内に静置した精白米中シロアリ防除剤濃度を指標として調査した。調査は, 2007年から2016年に関西圏の一般家庭を対象として行った。精白米を台所等に1週間放置して室内空気を暴露させることにより, 室内空気に含まれる殺虫剤を精白米に吸着させた。調査対象物質はシロアリ防除剤として使用された有機リン系殺虫剤のクロルピリホス, ダイアジノン, フェニトロチオンおよび有機塩素系共力剤S-421である。精白米は, アセトン・ヘキサンによるホモジナイズ抽出後, シリカゲルカラムで精製した。クロルピリホス, ダイアジノン, フェニトロチオンはGC-FPDで, S-421はGC-ECDで定量した。有機リン系殺虫剤の検出頻度はクロルピリホスで9/244, ダイアジノンは検出されず, フェニトロチオンは12/244であった。最高値はクロルピリホスで35 ng/g(2008年), フェニトロチオンは4.3 ng/g(2016年)であった。クロルピリホスが検出された9例のうち6例において2003年以前にシロアリ防除を行っていたと推察された。S-421は分析した216例中214例から検出され, 最高値は29 ng/g(2008年)であった。S-421の検出頻度は高いが, 経年的に濃度レベルが減少していることがわかった。

収録刊行物

  • 室内環境

    室内環境 22 (1), 3-14, 2019

    一般社団法人 室内環境学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ