P-2-G11 重症心身障害者のグループホームに関する研究

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  • −グループホームへのニーズ調査−

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抄録

目的 重症心身障害者(以下、重症者)が暮らせる、特に医療的ケアの提供できるグループホーム(GH)は非常に数が少ない。そこで、重症者のGHに対するニーズを明らかにするとともに、重症者が利用できるGHの利用促進に係る提言を行うことを目的とする。 方法 東京都の1 旧A型通所者312名、2 地域施設活用型重症者通所や旧B型通所者の介護者319名にニーズ調査を行った。また比較のため、3 知的障害者の生活介護利用者200名への調査も行った。 結果 831名中499名から回答(60%)。利用者は男性290名、女性205名、年齢は20歳台が一番多く、ついで30歳台だった。愛の手帳は1度が198名、2度が228名、身体障害者手帳は、1級320名、2級30名、なしが78名だった。GHの職員配置、ケア、医療連携などの詳細は知られておらず、1グループではほとんど見学されていなかった。すべてのグループで、GHの利点として「暮らしなれた地域で生活できる」、「アットホームである」などがあげられた(43%〜78%)。足りない点は、2,3グループでは「数が少なく選択できない」、「夜間週末のスタッフが少ない」などだったが、1グループでは、「医療連携が不十分」「医療スタッフがいない」など医療に関する項目だった。一方、将来GHに必要な機能として、2,3グループでは「住み慣れた地域に存在する」が一番に挙げられていたが、1のグループでは、「医療的ケアが受けられる」「入院が受けられる施設との連携」「24時間の手厚い介護体制」など、手厚いケアが求められていた。また1グループでも、こうした課題が解決すれば「将来の生活の場」として6割が回答している。 考察 重症心身障害の介護者は、GHにまだ関心が薄く、住み慣れた地域で暮らせることは良いと思っても、医療ケア、医療連携、体調不良時の対応などに不安を持っていることがわかった。

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