書誌事項
- タイトル別名
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- A case of hepatocyte nuclear factor 1α-inactivated hepatocellular adenoma associated with low-dose estrogen progestin use
- 症例報告 LEP服用患者に生じたHNF-1α不活化型肝細胞腺腫の1例
- ショウレイ ホウコク LEP フクヨウ カンジャ ニ ショウジタ HNF-1aフカツカガタ カン サイボウセン シュ ノ 1レイ
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説明
<p>肝細胞腺腫は非硬変肝に生じるまれな良性腫瘍であり,経口避妊薬服用中の若年女性,ステロイド服用者,I型糖原病患者に発症することが多い.近年,分子病理学的に4つの亜型に分類され,診断や予後の予測に用いられるようになった.今回われわれは,月経困難症に対するLEP服用者でAIS罹患を契機に肝細胞腺腫を診断し,手術療法を施行した1例を経験したので報告する.症例は29歳,1妊0産.前医より子宮頸部細胞診異常の精査目的で当科を受診した.生検でAISの診断により子宮頸部円錐切除術を実施し,術後病理診断もAISで断端は陰性であった.全身精査のCT検査で径4.6 cmの肝内腫瘤を認めたため内科を受診した.超音波検査でS4に境界明瞭,辺縁平滑で周囲肝と等エコーを呈する内部均一な腫瘤を認めた.ソナゾイド造影超音波検査ではearly vascular phaseで腫瘤全体に不均一な早期濃染を認め,post vascular phaseで欠損を認めなかった.肝MRIで腫瘤のT1W opposed phaseはin phaseよりも信号低下を認め,腫瘤の脂肪含有が示唆された.EOB-MRIの動脈相で軽度の増強効果を示し,肝細胞相で低信号を示した.以上よりHNF-1α不活化型肝細胞腺腫が疑われた.4年前ごろより月経困難症に対してLEPを服用していたため同薬を中止した.同薬中止1年後,肝細胞腺腫の縮小を認めず,妊娠を希望したため手術の方針とした.腹腔鏡下肝S4部分切除術を実施した.病理所見は,腫瘤に被膜はなく,異型の乏しい肝細胞が索状配列を形成し,脂肪沈着を認めた.免疫組織化学染色では,腫瘍部でLFABP陰性(発現消失),背景肝でLFABP陽性であった.以上よりHNF-1α不活化型肝細胞腺腫と診断した.術後3ヵ月目に自然妊娠し,妊娠39週で合併症を伴わず経腟分娩した.LEPを長期投与する場合,肝細胞腺腫に注意する必要がある.〔産婦の進歩71(1):22-29,2019(平成31年2月)〕</p>
収録刊行物
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- 産婦人科の進歩
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産婦人科の進歩 71 (1), 22-29, 2019
近畿産科婦人科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564238096582144
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- NII論文ID
- 130007627110
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- NII書誌ID
- AN00099490
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- ISSN
- 13476742
- 03708446
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- NDL書誌ID
- 029493309
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可