イチジクで発生した<i>Lasiodiplodia theobromae</i> による落葉病(新称)

書誌事項

タイトル別名
  • Leaf fall of fig (<i>Ficus carica</i>) caused by <i>Lasiodiplodia theobromae</i> sensu stricto.
  • イチジクで発生したLasiodiplodia theobromaeによる落葉病(新称)
  • イチジク デ ハッセイ シタ Lasiodiplodia theobromae ニ ヨル オチバビョウ(シンショウ)

この論文をさがす

説明

<p>2016年5~6月,福岡県内で,イチジクの葉が急激に落葉する症状が発生した。落葉した葉の葉身に褐変や黄化はなく,葉柄基部付近の内部組織の一部が褐変していた。褐変部からは,気中菌糸に富む灰白色の菌叢を呈する糸状菌が高い割合で分離された。分離菌株をイチジクに接種した結果,原病徴が再現され,病斑部より接種菌が再分離された。分離菌は暗褐色~黒色の分生子殻を形成し,分生子殻から噴出した分生子は,無色,単胞,楕円形,平滑で厚い外壁を持ち,その後,成熟すると,暗褐色,2胞,細かい縦縞模様が確認された。培養試験の結果,生育温度は15℃~40℃で生育適温は30℃前後であった。更に分離菌株のrDNA-ITS 領域,EF1-α領域の塩基配列の決定も行った。以上,形態的特徴,培養特性および決定した遺伝子配列の既知病原菌との比較により,本分離菌をLasiodiplodia theobromae(Pat.)Griffon & Maubl. と同定した。本病害は本邦未報告のため,病名をイチジク落葉病と提案する。</p>

収録刊行物

参考文献 (2)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ