九州地域におけるマツノザイセンチュウ集団の遺伝的多様性と遺伝的構造

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タイトル別名
  • Genetic Diversity and Genetic Structure of Pine Wood Nematode (<i>Bursaphelenchus xylophilus</i>) Populations in the Kyushu Region.
  • キュウシュウ チイキ ニ オケル マツノザイセンチュウ シュウダン ノ イデンテキ タヨウセイ ト イデンテキ コウゾウ

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抄録

<p>九州の8地域に生息するマツノザイセンチュウの遺伝的多様性と遺伝的構造の解明を10個のEST遺伝子座の塩基配列多型を用いて行った。九州全域の遺伝子分化係数(GST)は0.53で,全遺伝子多様度(HT=0.63)の半分以上が地域集団間に存在し,集団間に大きな差異があった。8地域集団のHTは0.12~0.59であり,多様性に富んでいたのは,川内,新富,松浦,唐津(0.59,0.57,0.56,0.55)で,地域集団内におけるGST(0.43,0.35,0.25,0.25)も高く,被害木内集団(亜集団)間に大きな差違があった。一方,多様性が特に低いのは,天草,宮崎(0.12,0.18)で,そのGSTも小さく(0.01,0.02),亜集団間の違いは極めて小さかった。これらの2集団の形成には,ボトルネック/創始者効果が影響していることが示唆された。九州では地域集団が保有する多様性の二極化が進行していると思われる。</p>

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参考文献 (21)*注記

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