日本企業におけるコストの反下方硬直性

  • 北田 智久
    神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • Cost Anti-stickiness in Japanese Firms
  • ニホン キギョウ ニ オケル コスト ノ ハン カホウ コウチョクセイ

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説明

<p>本稿は,日本企業におけるコスト・ビヘイビアの非対称性について分析する.具体的には,日本企業におけるコストの反下方硬直性に関して,Banker et al.(2014)の分析枠組みを用いて分析する.すなわち,売上高が増加する際のコストの増加率に比べて,同額の売上高の減少の際のコストの減少率の方が大きいという現象が観察されるかどうかを検証する.分析の結果,日本企業の売上高と販管費の間には,下方硬直性と反下方硬直性の両方が観察された.さらに,分析期間を拡張すると,下方硬直性と反下方硬直性が観察されるのは,それぞれ過去の売上高が連続した増加または減少傾向を示すときのみであるということがわかった.また,前期に売上高が減少する場合よりも,前期に売上高が増加する場合,今期の売上高の増加の程度を所与とすると販管費は平均してより大きく増加する.さらに,Banker et al.(2014)を拡張して,業種ごとのコスト・ビヘイビアを分析すると,販管費の反下方硬直性が観察されない業種が存在することがわかった.</p>

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