二語文発話のない幼児への一事例の実験デザインによるVOCAを用いた多語発話訓練の効果

  • 稲田 勤
    高知リハビリテーション学院言語療法学科
  • 坂上 可名
    医療法人地塩会南国中央病院リハビリテーション部
  • 掛水 幸代
    社会福祉法人来島会児童発達支援センターやいろ

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of multiple-word utterance training using VOCA employing an experimental design in a toddler without 2-word utterances
  • 2語文発話のない幼児への一事例の実験デザインによるVOCAを用いた多語発話訓練の効果
  • ニゴブン ハツワ ノ ナイ ヨウジ エ ノ イチジレイ ノ ジッケン デザイン ニ ヨル VOCA オ モチイタ タゴ ハツワ クンレン ノ コウカ

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抄録

単語レベルの発語は200程度あるものの,二語文以上の多語発話のない2歳11ヶ月の幼児に対して,VOCA(Voice Output Communication Aid)を用いた二語文,三語文の発話訓練を行った.訓練に先立ち,理解語,表出語を調べるために語彙チェックリストを作成し,表出できる名詞,動詞,形容詞を抽出した.抽出した語から二語文,三語文の文型を決定し,VOCAのオーバーレイに抽出された語をシンボル化して配置した.また,抽出した語の事物(模型,ミニチュア)を準備した.対象児は,見本刺激(事物)とシンボル(VOCA)のpointingによる見本合わせを求められた.訓練効果を測定するために一事例の実験デザインを用いた. 結果,口頭による二語文,三語文の命名率は,ベースライン期ほぼ0%,確認期は,二語文ほぼ100%,動作語課題の三語文は11%程度であったが,その他の三語文課題は89%程度であった.訓練で使用した多語文の日常生活での出現率は,母親からの聞き取りで90%以上であった.

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