局所麻酔下軟性気管支鏡で摘出し得た長期介在気管支異物(歯冠補綴物)の1例

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  • Successful Removal of Long-standing Bronchial Foreign Body (Dental Prosthesis) by Flexible Bronchoscopy Under Local Anesthesia: a Case Report

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抄録

<p>背景.長期介在気管支異物は,気管支鏡的な摘出に難渋することが多い.症例.76歳男性.脳出血後遺症で意識障害があり,永久気管切開後であった.3カ月前に他院にて肺炎と診断され,治療を受けた.今回,膿性痰と発熱を主訴に他院で肺炎と診断された.胸部X線写真で右下肺野に気管支異物を認め,処置目的に当院へ転院した.3カ月前の胸部X線写真で既に異物を認め,長期介在気管支異物と判断した.気管支鏡検査で異物およびその周辺に著明な肉芽を認めたが,肺膿瘍による膿性分泌物のため視野確保困難であった.抗菌薬投与後に膿性分泌物は減り,肉芽は縮小し,アルゴンプラズマ凝固(argon plasma coagulation:APC)併用により局所麻酔下軟性気管支鏡で合併症なく異物(歯冠補綴物)を摘出した.結論.長期介在気管支異物で著明な肉芽を認めた場合でも,抗菌薬の使用,APCによる肉芽の焼灼,凝固による止血の併用により軟性鏡でも安全に除去し得る症例がある.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 41 (2), 127-132, 2019-03-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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