注射恐怖の重症例に対するエクスポージャーとApplied Tension(実践研究)

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タイトル別名
  • Applied Tension and Exposure for an Individual With a Severe Case of Injection Phobia

抄録

特定の恐怖症の血液・注射・外傷型は血管迷走神経性失神という特有な反応を伴う。これに対し筋緊張とエクスポージャーを用いた行動療法(applied tension)が有用とされる。この論文は注射恐怖の20代女性患者に対する行動療法の報告である。失神の予防が重要であること、重症例に対する治療には工夫が必要であることを論じた。症例は小児期から注射恐怖があり、受診時には注射だけでなく、恐怖対象に関連した写真や医療行為全般を見ること、恐怖対象を表現することばを読み書きすること、話したり聞いたりすること、また思い浮かべることも避けていた。治療当初、筋緊張による血圧維持の練習を行った。次にエクスポージャーの計画を立てた。しかし、恐怖対象に関する話し合いは不可能で、不安階層表は治療者側が作成したものになった。治療目標としていた採血行為が行えるようになるためには、替え歌を利用したことばに対するエクスポージャーと、3回の現実エクスポージャーセッションが必要であった。セルフエクスポージャーをするようになり、1年後は医療従事者としての仕事が可能な水準まで到達した。

収録刊行物

  • 行動療法研究

    行動療法研究 33 (2), 171-183, 2007-09-30

    一般社団法人 日本認知・行動療法学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238098811392
  • NII論文ID
    110009668096
  • DOI
    10.24468/jjbt.33.2_171
  • ISSN
    24242594
    09106529
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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