肘頭骨髄炎に対して持続灌流法を用いた1例

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  • Olecranon Osteomyelitis Treated by Continuous Irrigation; A Case Report

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抄録

<p> 症例:77歳男性.主訴は右肘の腫脹,発赤,疼痛.既往歴に糖尿病とアトピー性皮膚炎がある.3か月前から右肘頭部に掻痒感を自覚し,強く掻いていた.1か月前に近医で右肘頭滑液包炎と診断され切開を受けたところ排膿があり,MSSAが検出された.単純X線像で肘頭に骨不整像を認め,CT画像で骨融解像,MRIではT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号となる病変を認めた.右肘頭骨髄炎と診断し,骨掻爬術および持続灌流法を行った.肘頭の腐骨を鋭匙で掻爬し,骨欠損部にチューブを留置して持続灌流法を1週間行った.術後1か月で症状が消失し,術後1年の現在再発なく軽快している.</p><p> 考察:肘頭滑液包炎から肘頭骨髄炎に至る報告は少なく,比較的まれである.骨髄炎までに波及した場合は抗生剤投与,穿刺排膿などに加え,観血的な骨掻爬や抗生剤含有リン酸カルシウム骨ペースト充填などが報告されている.本症例は徹底的な病巣掻爬に加え,持続灌流法を行うことで良好な結果を得た.</p>

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