O-049 肺葉切除予定患者に対する術前外来リハビリテーション導入の取り組み

DOI
  • 松崎 文香
    昭和大学横浜市北部病院 リハビリテーション室 昭和大学横浜市北部病院 呼吸器センター
  • 齊藤 哲也
    昭和大学横浜市北部病院 呼吸器センター 昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーションセンター
  • 大橋 慎一
    昭和大学横浜市北部病院 呼吸器センター
  • 鈴木 浩介
    昭和大学横浜市北部病院 呼吸器センター
  • 青木 いづみ
    昭和大学横浜市北部病院 リハビリテーション室
  • 城井 義隆
    昭和大学横浜市北部病院 リハビリテーション科
  • 門倉 光隆
    昭和大学横浜市北部病院 呼吸器センター

抄録

<p>【はじめに】</p><p>当院では2017年2 月より呼吸器外科の予定手術患者に対して,術前の外来リハビリテーション(以下,リハ)の導入を開始した.外来リハでは身体機能や運動耐容能の評価,パンフレットを用いた呼吸指導や周術期リハのオリエンテーションを実施し,術後円滑に離床を進めることや合併症の予測・予防に努めることを目的としている.今回,この取り組みについて,肺葉切除術前から混合性換気障害があり労作時に酸素飽和度の低下を認めた症例を通して報告する.なお,症例には本学倫理規定に準じ,発表について説明の上,同意を得た.</p><p>【症例】</p><p>76 歳男性.右下葉肺癌疑いにて手術目的に当院紹介受診.既往歴は糖尿病,関節リウマチ,高血圧である.呼吸機能は肺活量2.88L,% 肺活量69.1% ,1 秒量1.35L,%1 秒量41.8%,1 秒率53.1%,残気量 3.53L,% 残気量169.7%,残気</p><p>率 55.07% を示し,CAT スコアは14 点だった.【経過】</p><p>外来リハでの術前評価で,mMRC 2,6 分間歩行距離440m,低活動量を認めた.6 分間歩行試験で酸素飽和度は87% まで低下した.入院までの期間は主にIncentive spirometry(以下,IS)による呼吸指導や運動指導を行った.血糖コントロール目的に手術6 日前に入院し,同日より術前リハを開始した.入院時の呼吸機能は,1 秒量1.47L %1 秒量45.7% 1 秒率 56.3% を示した.手術は胸腔鏡補助下で右下葉切除術を施行された.離床・排痰練習を中心とした術後リハを手術翌日より1 日2 回行い,術後9 日目に退院となった.</p><p>【考察】</p><p>本症例は外来リハでの術前評価から,症例に適した呼吸指導・運動指導を行うことで呼吸機能の改善を得ることができた.また,入院当日から術前リハを開始することで患者との関係性が構築され,術後の積極的な離床プログラムの遂行や自己排痰を促進でき,早期退院に至ったと考える.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238099025920
  • NII論文ID
    130007623784
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.36.0_49
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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