我が国の中小企業における管理会計の実態調査

DOI
  • 山口 直也
    青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Research on Management Accounting Practices in Japanese Small- and Medium-sized Enterprises
  • ―Based on Questionnaire Investigation for SMEs in Industrial Clusters―
  • ―産業集積地域を対象とした質問票調査をもとに―

抄録

<p>本稿の目的は,我が国の中小企業における管理会計の導入状況を明らかにすることである。この目的を果たすため,調査対象を限定することによる研究成果の限界を認識しつつ,新潟県燕三条地域,東京都大田区,大阪府東大阪地域の3つの産業集積地域を対象として,郵送質問票調査を行った。全般的な導入状況を分析したところ,次の6つのことが明らかとなった。第1に,予算編成,業績評価(予算実績差異分析),損益測定,原価計算,原価管理,資金管理の導入状況については,損益測定と資金管理では約8割の企業が,原価計算では4社に3社程度が,原価管理,予算編成,業績評価では約5割の企業が導入していた。第2に,先行研究と比較すると,今回の調査の方が原価計算と予算管理では導入割合が高かった。第3に,会社の年数,規模,顧客の特徴,製品の特徴,経理体制といった会社の特性と,予算編成,業績評価,損益測定,原価計算,原価管理,資金管理の導入状況の関係性について,統計的に有意な関係性は認められなかった。第4に,予算編成,業績評価,損益測定,原価計算,原価管理,資金管理以外の管理会計手法では,「設備投資の経済性計算」,「バランスト・スコアカード」と「品質原価計算,品質コスト管理」について,10社以上が導入していた。第5に,見直しや導入が必要な管理会計分野があると考えている中小企業が相当数存在することを確認できた。第6に,予算編成に関して,導入状況(導入,未導入)と見直し・導入の必要性の有無との関係性について,統計的に有意差が認められた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238100217728
  • NII論文ID
    130007664534
  • DOI
    10.14987/mjmar.11.1_29
  • ISSN
    21892776
    18827225
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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