小児膵腫瘤性病変の検討

  • 大倉 隆宏
    独立行政法人国立病院機構岡山医療センター小児外科 NPO法人中国四国小児外科医療支援機構
  • 中原 康雄
    独立行政法人国立病院機構岡山医療センター小児外科 NPO法人中国四国小児外科医療支援機構
  • 秋山 卓士
    NPO法人中国四国小児外科医療支援機構 広島市民病院小児外科 中国電力株式会社中電病院小児外科
  • 河﨑 正裕
    NPO法人中国四国小児外科医療支援機構 山口県立総合医療センター小児外科
  • 岩村 喜信
    NPO法人中国四国小児外科医療支援機構 四国こどもとおとなの医療センター小児外科
  • 久守 孝司
    NPO法人中国四国小児外科医療支援機構 島根大学医学部附属病院消化器・総合外科
  • 高尾 智也
    NPO法人中国四国小児外科医療支援機構 姫路聖マリア病院小児外科
  • 片山 修一
    NPO法人中国四国小児外科医療支援機構 倉敷中央病院外科・小児外科
  • 後藤 隆文
    独立行政法人国立病院機構岡山医療センター小児外科 NPO法人中国四国小児外科医療支援機構
  • 青山 興司
    独立行政法人国立病院機構岡山医療センター小児外科 NPO法人中国四国小児外科医療支援機構

書誌事項

タイトル別名
  • Review of Pancreatic Masses in Children
  • ショウニスイシュリュウセイ ビョウヘン ノ ケントウ

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説明

<p>【目的】小児の膵臓に腫瘤性病変を認めることはまれである.今回,小児膵腫瘤性病変の鑑別診断のため,その臨床像および画像的特徴を比較検討した.</p><p>【方法】2005年4月から2017年3月までに関連7施設において,腹部超音波(胎児期を含む),CT,MRIなどの画像検査で膵臓に腫瘤性病変を認めた7施設17症例を対象として,症状,併存疾患,血清アミラーゼ濃度,画像所見,治療,予後について,後方視的に検討した.</p><p>【結果】全17症例の診断は,SPN 5例,acute peripancreatic fluid collection/pancreatic pseudocyst(以下APFC/PPC)5例,膵奇形腫1例,膵腺房細胞癌1例,インスリノーマ1例,転移性膵腫瘍1例,膵内副脾1例であり,先天性真性膵囊胞として経過観察中の症例が2症例であった.有症状例が11例であり,腹部外傷後に発見された症例が6例あった.膵dynamic CTを撮像したSPNの3例全例で,漸増性濃染の所見を認めた.またSPNの5例中2例では被膜を認めず,石灰化を認めた症例は1例のみであった.</p><p>【結論】小児膵腫瘤性病変には良悪性いずれの疾患も含まれるが,今回の検討ではSPNとAPFC/PPCの頻度が高かった.SPN症例の画像所見では,必ずしも特徴的とされる所見を認めるとは限らないが,膵dynamic CTにおける漸増性濃染の所見が診断に有用と考えた.</p>

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