解決志向アプローチが有効であった産後うつ病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Postnatal Depression Effectively Treated with Solution-focused Approach
  • 症例研究 解決志向アプローチが有効であった産後うつ病の1例
  • ショウレイ ケンキュウ カイケツ シコウ アプローチ ガ ユウコウ デ アッタ サンゴ ウツビョウ ノ 1レイ

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抄録

<p>産後うつ病の症例に対して解決志向アプローチによる面接を行い, 改善がみられたことを報告する.</p><p>症例は40代, 女性, A. 産後まもなくから子育ての不安が強く, 母親失格だと感じて気持ちが沈み, 産後9カ月で当院を受診した. 診断はうつ病性障害であり, 薬物療法とともに, 解決志向アプローチを用いた隔週20分間の面接を行った. 面接ではAの言葉である 「外に出て子どもと一緒に体を動かすこと」 をゴールに設定し, 「子どもとバスに乗る」 「親子スイミング参加」 などの具体的な課題がAから示された. 面接経過とともにAの行動は段階的に拡大し, 以前と比べて落ち込まずに仕事や育児ができるようになったと語った. 具体的かつ実践的なゴールに向けて, 小さな変化にコンプリメントを重ね, 大きな変化を育むという治療的プロセスを経て, 自己効力感が向上したと考えられる. これに伴い抑うつが軽減したことから, 解決志向アプローチが効果的であったと考えられる.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 59 (5), 462-467, 2019

    一般社団法人 日本心身医学会

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