日本文化における紅白の意味―日本の色彩文化の特質―

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タイトル別名
  • The Meaning of Red and White (<i>Ko-haku</i>) in Japanese Culture: The Unique Qualities of Japanese Culture Concerning Color "

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説明

<p>紅の訓読み「くれなゐ」は,「呉(くれ)」という国の「藍(あゐ)」(藍は染料の総称)の意で,中国から渡来した染料を意味する.紅は,紅花の汁で染めた赤色,つまり,鮮明な赤色を意味し,藍色ではない.中国では赤色が「めでたい色」として有名であるが,「紅白」という表現には特に「めでたい」という意味はなく,「吉事と凶事」を意味する.日本では古くから,日常(ケ)と非日常(ハレ)を区別する感性が見られ,紅白は中心の意味としてハレ(非日常)を象徴していることが多い.紅白の梅が,草木がよみがえる陰暦二月に咲くことにより「めでたさ」に繋がったという考えや,赤と白は天上界の色とする考えが,紅白のめでたさに繋がっている.紅白の意味と用法は,祝い事・めでたさが中心的意味の場合と,「対向する二つの配色」が中心的意味の場合の二種類に大別できる.「めでたさ」を表す場合には,必ず「紅白」が用いられるが,「対向する二つの配色」が中心的意味の場合は,赤白が用いられることがある.「紅白」の「紅」には,本来の「紅」だけでなく,「赤」の意味の場合もある.この意味の豊かさ・精神性と多義性に,日本語の色彩語の特性が反映されている.</p>

収録刊行物

  • 日本色彩学会誌

    日本色彩学会誌 43 (3+), 47-, 2019-05-01

    一般社団法人 日本色彩学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238104934016
  • NII論文ID
    130007676373
  • DOI
    10.15048/jcsaj.43.3__47
  • ISSN
    2189552X
    03899357
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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