バイオ医薬品の免疫原性評価の現状と課題
書誌事項
- タイトル別名
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- Current status and issues of the immunogenicity assessment of therapeutic proteins
説明
<p>バイオ医薬品の有効成分であるタンパク質やペプチドは,ヒトの生体内で機能している生理活性タンパク質やペプチドと同一のアミノ酸配列であっても,ヒトに投与した際に免疫原性を示す場合がある.免疫原性とは,生体内で免疫反応を引き起こす性質のことで,代表的な免疫反応に抗薬物抗体の産生が挙げられる.抗薬物抗体が産生されると,中和抗体による有効性の低下や,免疫応答による有害反応が生じる可能性が指摘されている.また,エポエチン アルファ製剤の製剤処方変更により出現した中和抗体が,内因性物質であるエリスロポエチンの生理活性を阻害し赤芽球癆が発生した事例のように,抗薬物抗体が内因性物質に交叉反応し重篤な有害反応を招く場合もある.従って,バイオ医薬品の開発においては,有効性・安全性確保の観点から,臨床試験において感度が高く信頼性のある分析方法を使って抗薬物抗体を評価することが極めて重要である.通常,抗薬物抗体の陽性率や陽性検体における中和抗体の有無などが測定され,承認申請時に審査の対象となる.欧米の規制当局では免疫原性の評価に関するガイドライン等が既に整備されているが,抗薬物抗体の評価にはいくつかの技術的な課題がある.本講演では,実際の測定事例を交えて,バイオ医薬品の免疫原性評価に関する現状と課題を概説する.</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 46.1 (0), S14-6-, 2019
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564238105803008
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- NII論文ID
- 130007677561
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可