栄養塩負荷の増減が琵琶湖の高次生態系に与える影響:モンテカルロ法を用いた食物連鎖モデルによる解析

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Nutrient Loads on Upper Trophic Level Species in Lake Biwa: Analysis Using Food Chain Model by Monte Carlo Method
  • エイヨウエン フカ ノ ゾウゲン ガ ビワコ ノ コウジ セイタイケイ ニ アタエル エイキョウ : モンテカルロホウ オ モチイタ ショクモツ レンサ モデル ニ ヨル カイセキ

この論文をさがす

説明

<p>栄養塩の流入負荷の減少による「貧栄養化」の問題が指摘される水域が存在する。本研究では, 近年栄養塩負荷の減少に伴って漁獲量の減少がみられる琵琶湖を対象として, 今後の栄養塩負荷の増減が魚類をはじめとする高次生態系のバイオマス等に与える影響を食物連鎖モデルにより予測した。構造の異なる3種類のモデルを構築し, 各モデルのパラメータセットをモンテカルロ法により100パターン選定した。その結果, 植物プランクトンについては, モデル構造によらず栄養塩負荷の増減に概ね比例するようにバイオマスが変化する傾向がみられた。一方で魚類については, モデル間あるいは食性による差が大きく, 流入負荷が増加してもバイオマスが減少するケースなどがみられた。予測の不確実性を考慮すれば, 琵琶湖の魚類を増やすことを目的とした安易な栄養塩の添加は, 水質は悪化するが魚類は増えないなど, 望まない結果をもたらす可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 水環境学会誌

    水環境学会誌 42 (4), 133-143, 2019

    公益社団法人 日本水環境学会

参考文献 (24)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ