創薬早期におけるアシルグルクロニドの毒性リスク評価法
書誌事項
- タイトル別名
-
- The risk assessment of acyl glucuronide in the early stage of drug discovery
抄録
<p> 薬物の多くは、薬物代謝酵素によって代謝されるが、代謝反応により毒性を有する反応性代謝物を生じる場合がある。カルボキシル基がグルクロン酸抱合を受けて生成するアシルグルクロニドは、不安定なときに反応性が高いアシルグルクロニドを形成し、生体内タンパク質との共有結合を介して特異体質性薬物毒性の一因として懸念されている。以上の背景から、創薬早期にアシルグルクロニドによる毒性リスクの回避を目的とした化合物をスクリーニングすることが求められている。</p><p> 本研究は、アシルグルクロニドのリン酸緩衝液中での半減期により、安全性の高いアシルグルクロニドと市場撤退など毒性リスクが高いアシルグルクロニドとを分類する既報に準じて行った。すなわち、ヒト肝ミクロソーム中で被験物質から生合成したアシルグルクロニドをリン酸緩衝液中にて37℃で2時間インキュベートした。経時的にインキュベート後0、0。5、1および2時間でサンプリングし、サンプルをLS/MS/MSにて濃度測定し、インキュベート開始時に対する変化から半減期を求めた。安全性の高い化合物として13被験物質(Flufenamic acid、Gemfibrozil、Levofloxacin、Meclofenamate、Montelukast、Repaglinide、Telmisartan、Ibuprofen、Naproxen、Probenecid、Furosemide、Piretanide、Oxaprozin)、毒性リスクが高い化合物として5被験物質(Benoxaprofen、Tolmetin、Fenclofenac、Ibufenac、Zomepirac)を使用した。アシルグルクロニドの毒性リスクについて、アシルグルクロニドの反応性の高さに関連する半減期の大きさと一日投与量の関連から安全あるいは毒性リスクが高い薬物かの分類を試みた。本評価系により、創薬早期にアシルグルクロニドによる毒性リスクの回避を目的とした化合物をスクリーニング可能であることを発表する。</p>
収録刊行物
-
- 日本毒性学会学術年会
-
日本毒性学会学術年会 46.1 (0), P-157-, 2019
日本毒性学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390564238106307968
-
- NII論文ID
- 130007677371
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可