信頼性保証の観点で見るSENDの課題と提案

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タイトル別名
  • Issues and proposal for SEND from the perspective by quality assurance

抄録

<p> 米国におけるNDA、BLA、及びIND等の申請時にFDAに提出する非臨床安全性試験の内、一般毒性試験、がん原性試験、安全性薬理試験(呼吸・循環器)については、SENDデータの提出が既に義務付けられている。最初(2016年12月)のFDAによるSENDデータの提出義務化から2年以上経過したが、SENDに対する要求事項(Technical Rejection Criteria、Study Data Technical Conformance Guide、Business/Validator Ruleなど)は継続的に改定されている。さらに、現在提出が義務化されている試験種以外の生殖発生毒性試験、皮膚/眼刺激毒性試験、遺伝毒性試験なども順次義務化される予定が組まれており、今後もSENDの要求事項が継続的に変更されることが見込まれる。</p><p> FDAがSENDを用いて審査した際に不備が生じると、申請に時間を要するため、新薬を迅速に患者に提供するという目的が達成できない。また、生データもしくは最終報告書とSENDデータとの間に、偶発的または故意による明らかな相違が発覚すると、申請データだけではなく当該試験の信頼性にも影響を及ぼすリスクがある。</p><p> GLP下で作成される資料(生データ、最終報告書など)については「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令」やOECD GLP原則に基づき、運営管理者および試験責任者による適切な管理および信頼性保証部門による調査を実施することなどにより、信頼性が保証されている。</p><p> 一方、SENDデータはGLPの要求事項ではないが、信頼性の確保は必要であり、そのQC手法及び試験責任者や信頼性保証部門などの関与について検討が必要だと考えられる。そこで、日本QA研究会では、SENDデータ作成の流れを分析し、信頼性確保におけるリスクの洗い出しを行い、SENDデータ作成にあたっての留意点及び対応策について国際的な品質規格であるISO9001を元に提案する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238106321280
  • NII論文ID
    130007677482
  • DOI
    10.14869/toxpt.46.1.0_p-253
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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