書誌事項
- タイトル別名
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- A CASE OF PELVIC FRACTURE URETHRAL INJURY REPAIRED BY FOURTH URETHROPLASTY
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説明
<p>後部尿道外傷は骨盤骨折のまれな合併損傷である.待機的尿道形成術は後部尿道外傷治療のgold standardであるが,不成功例に対する救済手術は前回手術による瘢痕の増強や,利用できる尿道長に限りがあることから難度が高い.他院で3回の尿道形成術を施行されるも再狭窄を繰り返した後部尿道外傷に対して,4回目の尿道形成術で修復し得たので報告する.症例は22歳男性,4歳時の交通事故により後部尿道外傷を受傷した.他院で3回の尿道形成術(2回の経会陰的尿道形成術,1回の経会陰経腹的アプローチによる経恥骨的尿道形成術)を施行されたが再建し得ず,膀胱瘻管理されていた.外尿道口は度重なる治療により医原的に閉塞していた.陰囊正中から陰茎根部右側を経由し,下腹部まで皮膚切開を加えた.陰茎根部で陰茎海綿体を全周に剥離,瘢痕内に埋没する尿道を授動し,盲端で離断した.中枢側盲端を膀胱瘻から挿入したブジーの触感で同定し,周囲の瘢痕を充分に除去して健常な尿道粘膜を露出した.4-0吸収糸で8針結節縫合により尿道端々吻合を行い,吻合部および授動した尿道周囲を有茎薄筋弁で充填した.術後8カ月の排尿時膀胱造影で再狭窄を認めなかったため,閉塞していた外尿道口の腹側に切開を加えて外尿道口を形成した.現在は膀胱瘻から離脱し,一切の追加処置を要することなく良好な排尿状態を維持している.</p>
収録刊行物
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- 日本泌尿器科学会雑誌
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日本泌尿器科学会雑誌 109 (3), 173-177, 2018-07-20
一般社団法人 日本泌尿器科学会