橈骨塑性変形を伴った小児Floating Elbowの1例

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  • Floating Elbow with Acute Plastic Deformation of Radius in Child; A Case Report

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抄録

<p> Floating elbowは同側上肢に生じた上腕骨骨折と前腕骨骨折の複合骨折である.今回,われわれは橈骨塑性変形を伴う小児floating elbowという極めて稀な1例を経験した.</p><p> 症例は10歳,女児,転落し受傷.近医にて左橈尺骨遠位端骨折・左尺骨骨幹部骨折・左上腕骨顆間骨折の診断で当院救急搬送となり,同日緊急手術となった.なおこの時点で橈骨塑性変形の診断はついていなかった.</p><p> 上腕骨顆間骨折は,6本のK-wireで固定した.尺骨骨幹部横骨折は髄内釘固定,橈骨遠位端骨折はピンニング固定をした.Alignmentの最終確認時に前腕の変形の残存と肘関節伸展障害に気づき,橈骨塑性変形の診断で徒手整復を施行した.</p><p> 塑性変形は本症例では術前診断でついておらず,前腕においては手関節・肘関節を含む単純X線像を健側と比較すると同時に,塑性変形を常に念頭に置く必要がある.</p>

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