無人航空機による3次元データを用いた天然生針広混交林における葉の窒素含量の空間分布

書誌事項

タイトル別名
  • Spatial assessment of leaf nitrogen content in a natural cool-temperate mixed forest using unmanned aerial vehicle derived 3D data
  • ムジン コウクウキ ニ ヨル 3ジゲン データ オ モチイタ テンネンセイシンコウコンコウリン ニ オケル ハ ノ チッソ ガンリョウ ノ クウカン ブンプ

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説明

<p>森林生態系における窒素循環の空間分布を理解するためには,葉の窒素含有量の空間分布を把握することが重要である。本研究では,デジタルカメラを搭載した小型無人航空機(UAV)を用いて高解像度の空中写真を異なる季節で撮影し,そのRGB指標値と連続写真から三次元データを作成するStructure from Motion(SfM)を併用することで,樹種構成や林冠構造が不均質な森林における上層木および下層植生(ササ)の植被表面における葉の窒素含有量の空間分布を推定する手法を開発した。研究は北海道北部に位置する北海道大学雨龍研究林内の天然生針広混交林で行った。まず,優占樹種8種(常緑針葉樹2種,落葉広葉樹6種)と下層植生のササの葉を近接撮影し,RGB指標値と葉の窒素濃度の関係を調べた。針葉樹,広葉樹(+ササ)の窒素濃度とRGB指標値の間にそれぞれ有意な相関関係があった。次に,UAV撮影画像のSfM解析によって林冠表層高と地盤高との差分として林冠高を推定した。着葉期と落葉期の林冠表層高の差分と落葉・常緑の指標を用いて,常緑針葉樹,落葉広葉樹,ササの空間分布図を作成する手法を構築した。作成した植生分類図にRGB指標値と窒素の関係式を植生ごとに適用し,流域スケールでの窒素の空間分布を推定した。本研究で開発した手法を発展させることにより,これまで不可能であった森林生態系における窒素循環の空間動態の可視化・地図化が可能となるであろう。</p>

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 61 (1), 1-13, 2019-06-25

    森林立地学会

被引用文献 (1)*注記

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