小児顔面骨線維性骨異形成症の2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Pediatric Facial Bone Fibrous Dysplasia

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説明

<p>線維性骨異形成症(Fibrous dysplasia: FD)は,大きく単骨性線維性骨異形成症(monostotic type)と多骨性線維性骨異形成症(polystotic type)に分類される。単骨性が多骨性の4倍の頻度とされ顔面骨に生じることが最も多い。今回我々は小児の線維性骨異形成症を2例経験したので報告を行う。症例1)10歳男児,頭痛のためMRIを撮影したところ左上顎に腫瘍を指摘され当院を受診。左頬部に軽度の腫脹を認める以外には有意な所見は認めなかった。副鼻腔CTでは左上顎洞下・外側壁にスリガラス状の骨肥厚を認めた。確定診断のために全身麻酔下で頬部より組織を採取し病理組織検査を行ったところFDと診断された。骨シンチでは上顎以外には集積を認めなかったため顔面骨領域での単骨性線維性骨異形成症の診断に至った。症例2)12歳男児,近医において副鼻腔X-Pの撮影を行ったところ左上顎骨肥厚を指摘され当院を受診した。症例1と同様に左頬部腫脹を認める以外の所見は認めなかった。副鼻腔CTでは頭蓋底~左顔面・下顎にスリガラス様の骨肥厚を認めた。骨シンチにおいてはCTの骨肥厚部に一致した集積を認めたが他の部位には集積は認めなかった。全身麻酔下で組織採取病理検を行った病理検査結果はFDであったため多骨性線維性骨異形成症の診断に至った。</p><p>両症例とも頬部腫脹以外の所見は認めず術後も骨肥厚の増大は認めていないため経過観察中である。</p>

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