エドキサバン服用中に発症した急性期脳梗塞に対してrt-PA を投与し症候性脳出血を来した1 例

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タイトル別名
  • Intracerebral hemorrhage after thrombolysis with recombinant tissue plasminogen activator in a patient treated with edoxaban

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抄録

<p>要旨:82 歳男性.心房細動あり.慢性腎臓病にてエドキサバンは15 mg に減量されていた.構音障害と右半身麻痺が出現し救急搬送された.NIHSS 5 点.頭部CT では早期虚血性変化の出現はなく,rt-PA 静注療法の禁忌項目はなかった.発症から3 時間20 分,エドキサバン最終服用から7 時間後にrt-PA を投与した.しかし,rt-PA 投与終了直後に右半身麻痺は重度となりNIHSS 12 点に低下した.頭部CT にて左被殻出血が出現しており,保存的治療を継続しmRS 4 で転院した.発症9 カ月前に撮影されていたMRA では,左中大脳動脈は慢性閉塞の所見であった.また,T2*強調画像にて左被殻に小さく淡い低信号域があり,陳旧性出血性梗塞か陳旧性無症候性脳出血が疑われる所見であった.高齢,慢性腎臓病,エドキサバン最終服用からの時間が短いこと,陳旧性出血病変の存在が,rt-PA 投与後に脳出血を合併した要因と推測された.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 41 (4), 299-303, 2019

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (11)*注記

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