篳篥の蘆舌に用いられる葦(<i>Phragmites australis</i>)材の物性(第<b>2</b>報)

書誌事項

タイトル別名
  • Physical Properties of a Reed (<i>Phragmites australis</i>) Used for the Vibrating Reed of Japanese Oboe (Hichiriki) II.
  • 篳篥の蘆舌に用いられる葦(Phragmites australis)材の物性(第2報)奏者によって選別された葦材の振動特性
  • ヒチリキ ノ アシ ジタ ニ モチイラレル アシ(Phragmites australis)ザイ ノ ブッセイ(ダイ2ホウ)ソウシャ ニ ヨッテ センベツ サレタ アシザイ ノ シンドウ トクセイ
  • Vibrational properties of the reed selected by musicians
  • 奏者によって選別された葦材の振動特性

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説明

<p>伝統的な篳篥の振動板 (蘆舌) に適した葦の特性を明らかにするために,蘆舌に用いられる葦(Phragmites australis) 材の寸法と繊維方向の振動特性を測定した。円筒状の葦材から板状の試料を作製するために,伝統的な熱圧加工である「ひしぎ」に倣い,中空の稈を分割して熱圧した。 奏者によって選別された葦材の振動特性は,選別されなかったもののそれと大差なかったが,選別された葦材の厚さと外径は狭い範囲 (それぞれ1.2~1.4mmおよび11.5~12.1mm) にあった。篳篥の蘆舌を作るためには,振動特性よりも,寸法が重要であることが示唆された。葦材の動的ヤング率と密度の関係は,維管束鞘と柔細胞からなる力学モデルで近似された。葦材の損失正接は西洋の木管楽器に用いられる葦 (Arundo donax) に比べて著しく低かった。これは水溶性抽出成分の含有量が少ないためと推察された。</p>

収録刊行物

  • 木材学会誌

    木材学会誌 65 (3), 131-137, 2019-07-25

    一般社団法人 日本木材学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (3)*注記

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