International Scaleによる<i>BCR-ABL1</i>測定が不能であった慢性骨髄性白血病の分子生物学的解析

  • 川又 紀彦
    東京医科歯科大学 医学部 東京医科歯科大学 医学部 血液内科・造血器疾患免疫治療学教室
  • 渡部 良平
    東京医科歯科大学 医学部

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular analysis of the <i>BCR</i>-<i>ABL1</i> fusion gene in a chronic myeloid leukemia patient with <i>BCR</i>-<i>ABL1</i> International Scale-undetectable disease
  • 症例報告 第10回日本血液学会関東甲信越地方会 優秀演題 International ScaleによるBCR-ABL1測定が不能であった慢性骨髄性白血病の分子生物学的解析
  • ショウレイ ホウコク ダイ10カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ユウシュウ エンダイ International Scale ニ ヨル BCR-ABL1 ソクテイ ガ フノウ デ アッタ マンセイ コツズイセイ ハッケツビョウ ノ ブンシ セイブツガクテキ カイセキ

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抄録

<p>BCR-ABL1 International Scale(IS)測定はチロシンキナーゼ阻害剤で治療されている慢性骨髄性白血病(CML)患者の治療効果をモニターする上で重要な検査法である。稀ではあるが,BCR-ABL1 IS測定ができないCMLが存在することが知られている。本研究において,我々は,そのようなBCR-ABL1 IS測定のできないCML患者を経験し,分子生物学的な方法で,その原因を解明した。本例ではABL1遺伝子における切断点がa2エクソン内にあることが分かり,そのことがABL1のa2エクソンを欠いたe14a3(b3a3)キメラ遺伝子のmRNAのみの発現を誘導していた。a2エクソンは本邦における検査部でのIS測定において重要な要素であり,これが欠損することが測定不能の原因であった。このようなIS測定ができない稀なCML症例をさらに集積して,その分子構造を解明することが待たれる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (7), 767-772, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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