Jack-Knife stretchはハムストリングス遠位の柔軟性改善に貢献する

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抄録

<p>【目的】</p><p> Jack-Knife stretch(JKS)は,非接触性のハムストリングス肉離れ発症率を低下させると報告している。しかし,従来からのStatic-stretch(SS)との比較は行われておらず,柔軟性改善効果としての有用性の検討はなされていない。そこで本研究は,SSとJKSがHamstの柔軟性に与える影響を検証した。</p><p>【方法】</p><p> 対象は,健常成人男性24名とし,対照群(Cont群),SS群,JKS群の3群に無作為に8名ずつ振り分けた。介入方法は,時間を60秒で統一し,SS群は長座位でのSS,JKF群は,足関節を両手で把持ししゃがみ込み,腹部・大腿を離さず膝を伸展する方法とした。効果検証は,Hamstの柔軟性改善の臨床指標としてFFD,Pelvis Forward Inclination Angle(PFIA)とし,筋への直接的影響の検証としてHamst近位,中間,遠位の超音波シェアウェーブ(SWE)で筋硬度を比較し統計解析処理をした。</p><p>【倫理的配慮】</p><p> 本研究はヘルシンキ宣言に則り,対象者に十分な説明と同意を得て実施された。</p><p>【結果】</p><p> FFD・PIFAの変化量は,Cont群と比較しJKS群で有意に増加した(P<0.01)。SWEの結果はJKS群のHamst遠位のみ有意に低値を示した(P<0.01)。</p><p>【考察】</p><p> SairyoらによるとJKSは,伸張による通常のIb抑制に加え,大腿四頭筋の収縮を利用した相反神経抑制によるStretch効果が加算される可能性を報告している。本研究ではSSと比較し,JKSはHamstの柔軟性をより改善することが明らかとなり,またHamst遠位への直接的なストレッチ効果が高い可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), F-53-F-53, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238110854656
  • NII論文ID
    130007693290
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.f-53
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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