頸部囊胞性リンパ管奇形に対する硬化療法17年後に全身の骨病変を認めリンパ管腫症と診断した1例

  • 渡部 亮
    秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系小児外科学講座
  • 吉野 裕顕
    秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系小児外科学講座
  • 森井 真也子
    秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系小児外科学講座
  • 蛇口 琢
    秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系小児外科学講座
  • 東 紗弥
    秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系小児外科学講座
  • 山形 健基
    秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系小児外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Generalized Lymphatic Anomaly After 17 Years of Sclerotherapy for Lymphatic Malformation
  • 症例報告 頸部囊胞性リンパ管奇形に対する硬化療法17年後に全身の骨病変を認めリンパ管腫症と診断した1例
  • ショウレイ ホウコク ケイブノウホウセイ リンパカン キケイ ニ タイスル コウカ リョウホウ 17ネンゴ ニ ゼンシン ノ ホネ ビョウヘン オ ミトメ リンパカン シュショウ ト シンダン シタ 1レイ

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説明

<p>17歳,男児.出生前に頸部巨大囊胞病変を指摘,生後に頸部囊胞状リンパ管奇形(LM)と診断し乳児期に計2回の硬化療法を施行した.囊胞は著明に縮小し,形成外科で余剰皮膚切除を受けた.5歳時より当院外来通院を自己中断.17歳時に野球練習中に頸椎骨折を生じ,精査で多発性骨囊胞性病変を指摘された.MRIでは頸部に明らかな囊胞病変を認めないが,頸椎,胸椎,肋骨,腸骨,脾臓に多発性囊胞病変を認め,リンパ管腫症と診断した.頸椎骨折部はその後骨癒合し,胸水・心囊水・腹水等なく,血液検査で異常ないことから,現在無治療で経過観察中である.従来の囊胞性リンパ管腫は,macrocystic typeのLMに分類され,全身疾患であるリンパ管腫症とは一般に異なる疾患群とされるが,経過中にリンパ管腫症として発症する報告もあり,LMの診断,治療に加え,長期フォローの方法,時期に関して,今後,検討が必要であると考えられた.</p>

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