COPD患者の呼吸困難感に対してのコルセットの効果

DOI
  • 小幡 玲菜
    IMSグループ 春日部中央総合病院 リハビリテーション科
  • 亀田 光宏
    IMSグループ 春日部中央総合病院 リハビリテーション科
  • 井上 翔太
    IMSグループ 春日部中央総合病院 リハビリテーション科
  • 榊 聡子
    IMSグループ 春日部中央総合病院 リハビリテーション科
  • 熊谷 雄基
    IMSグループ 春日部中央総合病院 リハビリテーション科
  • 有馬 翔太
    IMSグループ 春日部中央総合病院 リハビリテーション科
  • 山田 大介
    IMSグループ 春日部中央総合病院 リハビリテーション科
  • 木曽 将徳
    IMSグループ 春日部中央総合病院 リハビリテーション科
  • 星 葵
    IMSグループ 春日部中央総合病院 リハビリテーション科
  • 松永 康二郎
    IMSグループ 春日部中央総合病院 呼吸器科

抄録

<p>【目的】我々は、若齢健常者がコルセットを着用することで肺気量分画の一回換気量が下方へシフトすることを報告した。そのことより、仮説として慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対してコルセット着用することで、残気量(RV)が軽減することを挙げ、労作時の呼吸困難感が軽減できるか否かを検討した。</p><p> </p><p>【症例】COPDの急性増悪により入院となった70歳代男性(身長164㎝、体重46.1㎏、BMI17)在宅酸素療法(安静時ナザール2L、労作時ナザール4L)を導入している。GOLD分類Ⅳ期であり%肺活量85.5%、1秒率23.7%、RV222.1%であった。日常生活活動は屋内レベルで、30m歩行にて呼吸困難感は増大したが動脈血酸素飽和度(SpO)の低下はなかった。吸入薬は気管支拡張薬を使用していた。30m歩行後に呼吸数(RR)、吸気/呼気比(IE比)、呼吸困難感は修正Borgスケール(修正Borg)を用いて評価し、コルセットの有無による呼吸困難感を比較検討した。コルセットは下位肋骨と腸骨稜にかかる位置とした。安静時RRは17回、またIE比は0.9:2.6、修正Borg3であった。</p><p> </p><p>【結果】コルセット非着用下ではRR24回、IE比0.9:1.3、修正Borg7であった。コルセット着用下ではRR22回、IE比0.9:1.6、修正Borg7であった。コルセット着用に関係なくSpO95%以上維持できていた。コルセット着用下では吸気が苦しいとの訴えが生じた。</p><p> </p><p>【考察および結論】COPD患者ではRVの増大、それに伴う予備吸気量(IRV)の低下が呼吸困難感増大の一因子として挙げられる。コルセットを着用することで、呼気が助長されRVが減少しIRVの低下を抑制した可能性は示唆された。しかし、コルセット着用により胸郭自体の可動性が制限されたことで、吸気の努力感が増加し呼吸困難感に変化を及ぼさなかったと推察した。</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】人を対象とする医学研究に関する倫理指針に基づき説明と同意を得た。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), A-58_2-A-58_2, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238111155200
  • NII論文ID
    130007692428
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.a-58_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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