地域リハビリテーション広域支援センターの公開フォーラム

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タイトル別名
  • -地域に開かれた健康増進の拠点を目指して-

抄録

<p>【はじめに・目的】地域リハビリテーション広域支援センターの役割として、研修等の実施を通じた協働促進、一般住民に対する健康増進・介護予防の取り組み支援などがある。当圏域は医療や福祉の資源が乏しい地域であり、過去8回の公開フォーラムを開催してきた。毎年多くの人と時間をかけて準備をするが、より地域住民の健康増進に寄与し、運営側も楽しめるフォーラムにするために、公開フォーラムの振り返りを行なった。</p><p>【方法】当院のPCに保存されているチラシと会議資料、アンケートなどから、運営主体・開催内容・参加者数・住民の反応を記録されている範囲で収集した。</p><p>【結果】平成22年度に当圏域の医師会は県の地域脳卒中リハ連携システム構築モデル事業を受けており、事業を運営するための多職種からなる協議会を立ち上げた。その協議会が主催で、広域支援センターが共催し第1回公開フォーラムを開催した。第2回以降もほぼ同様の運営形態で、準備会議から多職種が何度も顔を合わせるので、事業以外でも連携しやすくなっていた。反面、会議時間が長く担当者の負担は大きかった。テーマは高次脳機能障害や認知症など、地域の専門職のニードに答える形で、医師の講演から急性期・回復期・生活期のリハビリ専門職やケアマネージャーのリレー講演、意見交換など充実していた。初回は一般住民の参加も多かったが、2回目からは一般住民の参加は1~2名と乏しかった。</p><p> 平成26年度から広域支援センターが主催となり、地域リハビリ連絡協議会で住民主役のフォーラムにするための企画を検討した。地域包括支援センターからは健康体操教室などに参加している住民のモチベーションの維持と新たな住民への啓発が求められた。住民目線のテーマとキャッチフレーズを創り、健康増進活動の発表とグループワークを取り入れた。グループワークのため100名上限で申し込み制としたところ平成26年度の参加者は103名で、次年度は95名であり、半数が一般住民であった。</p><p> より住民が参加しやすくするために平成28年度以降は申し込み不要とし、医師の講演と住民の健康増進活動の発表・医療技術専門職の体験ブース・企業イベントコーナーを展開した。平成28年度は123名の参加があった。かねてからの住民の要望に応えて平成29年度は病院の正面玄関を開けたところ170名の参加者を得た。</p><p>【結論】公開フォーラムの始まりがモデル事業であったため、専門職の協力が得やすく、回を重ねるごとに周知され、住民の参加も増えてきた。「地域を元気にしたい」と健康増進活動を継続する住民と、共に創る公開フォーラムとなっている。意欲が高い方々に、使ってもらえる新たな情報やスキルを提案すること、自身が健康であるだけでなく社会資源として活躍していただく場を提案することも今後の公開フォーラムの役割ととらえていきたい。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】公開フォーラムに参加された方々には記録用の写真を撮影することや学会発表させていただくことについて口頭でご説明し、不都合のある方は申し出ていただく様にお願いした。特に申し出はなく、写真撮影についても一般住民については遠隔で後方から撮影するよう配慮した。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), G-74_1-G-74_1, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238111252224
  • NII論文ID
    130007693512
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.g-74_1
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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