地震を経験した子どもの心理的問題についての文献検討

  • 奥山 純子
    東北大学大学院医学系研究科地域精神医療講座 宮城県立精神医療センター
  • 舩越 俊一
    東北大学大学院医学系研究科地域精神医療講座 宮城県立精神医療センター
  • 本多 奈美
    東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A REVIEW OF PSYCHOLOGICAL REACTIONS TO CATASTROPHIC EARTHQUAKES IN CHILDREN AND ADOLESCENTS
  • ジシン オ ケイケン シタ コドモ ノ シンリテキ モンダイ ニ ツイテ ノ ブンケン ケントウ

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抄録

<p>背景: 東日本大震災は, 東北三県を中心に多くの被害をもたらした。被災後, 成長過程にある子どもは, 成人とは違った子ども特有の心的影響を受け, 支援が必要とされるものと考えられる。</p><p>目的: 本稿の目的は, これまで行われてきた震災を受けた子どもの心理的問題についての研究を概観し, その特徴について検討することにある。</p><p>方法: 文献検索サイトからキーワード検索にて得られた文献を検索した。</p><p>結果: 文献レビューにより, 3つのテーマに分類できた。テーマ1: 地震に被災した子どものPTSDについて, テーマ2: 地震に被災した子どもの心理的問題について, テーマ3: 心理的問題に影響をあたえるリスク因子, であった。地震による子どもの心理的問題の研究は, ほとんどの調査において, PTSDを中心に行われていた。震災後のPTSDは, 年齢, 身体疾患, 社会的支援, 性別および津波の経験に相関していた。思春期の年代は, PTSDの症状を呈しやすいハイリスク群であり, 継続介入の必要性が高いことが理解できた。また, 東日本大震災の特徴の一つである, 津波の被害を受けた子どもは震災以上に心理影響が高く, よりメンタルヘルスケアが重要であることが見出された。</p>

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被引用文献 (1)*注記

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