頸部キャッスルマン病の1例

  • 櫛橋 幸民
    昭和大学 頭頸部腫瘍センター 昭和大学医学部 耳鼻咽喉科学講座 昭和大学歯学部 口腔外科学講座口腔腫瘍外科学部門
  • 江川 峻哉
    昭和大学 頭頸部腫瘍センター 昭和大学医学部 耳鼻咽喉科学講座 昭和大学歯学部 口腔外科学講座口腔腫瘍外科学部門
  • 北嶋 達也
    昭和大学 頭頸部腫瘍センター 昭和大学医学部 耳鼻咽喉科学講座
  • 小林 一女
    昭和大学医学部 耳鼻咽喉科学講座
  • 嶋根 俊和
    昭和大学 頭頸部腫瘍センター 昭和大学医学部 耳鼻咽喉科学講座 昭和大学歯学部 口腔外科学講座口腔腫瘍外科学部門

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Castleman’s Disease of the Neck
  • 症例 頸部キャッスルマン病の1例
  • ショウレイ ケイブ キャッスルマンビョウ ノ 1レイ

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抄録

<p>キャッスルマン病は1954年に病理医であるキャッスルマンらにより縦隔に限局した胸腺類似のリンパ過形成として初めて報告されたリンパ増殖性疾患である。その後Kellerらが1972年に本疾患を病理組織学的特徴から再検討を行った。濾胞内外の血管造成と小型の萎縮性濾胞を特徴とした硝子血管型と濾胞間組織に成熟した形質細胞のシート状増殖を特徴とし血管造成をほとんど認めない形質細胞型に分類した。キャッスルマン病の診断には病理組織学的所見が重要であり,組織診断なしに診断することはできない。病理組織学的診断を行う上でリンパ節の基本構造が保たれているという特徴があげられる。リンパ節の基本構造が保たれているか否かは病変全体を観察する必要性があり一部を生検したのみであると反応性リンパ節腫脹や良性リンパ節病変と診断され確定診断に至ることが難しくなる。今回われわれは開放生検を施行した結果,頸部良性腫瘍と診断され経過観察されていたキャッスルマン病の1例を経験した。キャッスルマン病を念頭に置いた際には治療と診断を兼ねて可能なかぎり全摘出術を施行することが大切である。</p>

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参考文献 (12)*注記

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