振動刺激が筋柔軟性に影響を及ぼす部位について

DOI
  • 奥野 修司
    阪奈中央病院スポーツ関節鏡センター
  • 工藤 枝里子
    阪奈中央病院スポーツ関節鏡センター
  • 杉岡 辰哉
    阪奈中央病院スポーツ関節鏡センター
  • 額賀 翔太
    阪奈中央病院スポーツ関節鏡センター
  • 森 拓也
    阪奈中央病院スポーツ関節鏡センター 奈良県立医科大学大学院医学研究科
  • 川原 勲
    阪奈中央病院スポーツ関節鏡センター 奈良県立医科大学大学院医学研究科

抄録

<p>【目的】</p><p> 近年,筋の柔軟性向上に対しスタティックストレッチ(SS)に振動刺激(VS)を加えることが効果的であると報告されているが,それらが筋硬度に与える影響については明らかにされていない。本研究の目的は超音波エラストグラフィー(UE)を用いてSSとVSの併用が筋硬度に与える影響を明らかにすることとした。</p><p>【方法】</p><p> 対象は,健常成人24名(27.8±5.8歳)とし,対照群(Cont群),SS群,VS群の3群に無作為に振り分けた。標的筋をハムストリングス(Hamst)とし,課題はSS群長座位姿勢にて体幹を前傾するSS,VS群はSSに携帯型振動刺激装置(タカトリ社製)にて40Hzの振動刺激を加えた。介入時間は2分間とした。柔軟性の指標としてFinger Floor Distance(FFD),Aplio300(Canon社製)にてHamst近位,1/2,遠位のUEで筋硬度を介入前後で測定した。各3回測定し,統計解析処理した。</p><p>【倫理的配慮】</p><p> 本研究はヘルシンキ宣言に則り,対象者に十分な説明と同意を得て実施した。</p><p>【結果】</p><p> FFDの変化量は,VS群,SS群で有意に増加した(P<0.01)。UEの結果はHamst近位のみSS群,VS群で低値を示し(P<0.01),SS,VS間でVSで低値を示した(P<0.05)。</p><p>【考察】</p><p> ShinoharaらによるとVSはIb求心性線維の活動による脊髄前角細胞の興奮性抑制にてストレッチ効果があると報告している。本研究ではSSに対し,VSを加えることで,それらの効果が加味され,よりストレッチ効果が得られる可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), F-57-F-57, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238111977856
  • NII論文ID
    130007693295
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.f-57
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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