血管内皮機能検査Flow-mediated Vasodilation(FMD)の基準値についての検討

  • 丸橋 達也
    広島大学病院循環器内科
  • 木原 康樹
    広島大学病院循環器内科
  • 冨山 博史
    東京医科大学病院循環器内科
  • 東 幸仁
    広島大学病院未来医療センター 広島大学原爆放射線医科学研究所ゲノム障害医学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Diagnostic Criteria of Flow-mediated Vasodilation in the Brachial Artery for Endothelial Function

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説明

<p> 背景:上腕動脈を用いたflow-mediated vasodilation(FMD)検査は,血管内皮機能測定方法として汎用されている.しかし,明確な基準値は設定されておらず,測定結果の解釈も一定のものはない.本研究では,FMD の正常値と境界値,異常値の検討を行った.</p><p> 方法:正常値と境界値のカットオフ値の設定には,日本で行われた多施設共同研究FMD-J研究のデータを用いた.境界値と異常値のカットオフ値の設定は,これまでに報告されているFMD 値と心血管疾患発症の関連を前向きに検討した臨床研究から解析を行った.</p><p> 結果:FMD-J 研究のデータベースに登録された健常人1617 名と動脈硬化危険因子保有者4796 名のFMD カットオフ値は,ROC 解析より6.9%であった.また,これまでに報告されている4 つの臨床研究における心血管疾患発症高リスク患者のFMD カットオフ値は,2.9%~4.7%であった.</p><p> 結論:FMD の正常値は7%以上,異常値は4%未満,境界値は4%~ 7%が妥当と考えられた.</p>

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