上腕骨遠位端粉砕骨折・偽関節の対する一期的TEAの治療経験

この論文をさがす

抄録

<p>上腕骨遠位端骨折は成人の肘周囲骨折の2% とされ比較的稀な骨折である.骨粗鬆症のある高齢者では粉砕例が多く,特に関節内粉砕骨折例は整復,強固な内固定が困難とされている.骨粗鬆症のある高齢者では正確な整復,強固な内固定が困難であり,術後早期に可動域訓練を行うことが困難であるケースもある.当科では2015年9月から2017年11月に4例の上腕骨遠位端粉砕骨折例,偽関節例に対して一期的TEAを行った.すべて女性で,平均年齢は76歳,平均経過観察期間は9.5ヵ月,上腕骨顆部粉砕骨折が3例(すべてAO C3),遠位端偽関節が1例であった.インプラントは全例,半拘束型人工関節を使用した.最終follow up時のROMは屈伸Arcで平均93.8°であり,痛みなく日常生活動作が可能であった.経過観察期間中に再手術を要した症例はなかった.骨質が不良な上腕骨遠位端粉砕骨折,偽関節に対する一期的TEAは短期的には良好な成績が期待できる治療法であると考える.</p>

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ