医原性合併症を起こした鎖骨骨折の一例

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<p>【症例】33歳男性,ランニング中の転倒により鎖骨骨幹部骨折を受傷し手術加療が選択された.術中のプレート仮固定操作の際にK-wireを胸腔内に誤って刺入,術後のX線では異常を認めなかったが,翌日のX線で気胸が確認された.呼吸器科にコンサルトし,保存的に経過観察となり,悪化することなく治癒した.【考察】鎖骨の手術は一般的に血管,神経損傷,医原性気胸など様々な合併症があり,部位によってそのリスクは異なる.鎖骨周囲の解剖像を熟知した上で手術に臨む必要がある.また鎖骨骨折は保存治療の良好な成績が報告されており,手術自体を慎重に適応すべきである.ドリリングなどの操作を必要とする手術では鎖骨骨折に限らず,ある一定のリスクを伴うためそのリスクは最小限に抑えるべきである.リスクの軽減に期待してドリルストッパーの使用も一つの手段である.</p>

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