足部コンパートメント症候群の一例

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説明

<p>足部コンパートメント症候群(以下FCS)は発生頻度が2-5% と比較的まれな疾患とされている.今回FCSの1例を経験したので報告する.症例は67歳男性,バイク運転中に自動車と衝突し受傷した.来院時バイタルは安定していたが,右足部全体の緊満,足趾の色調不良を認めた.足趾の運動は可能であったが感覚鈍麻を認めていた.レントゲンで右踵骨,舟状骨,立方骨,第3,4中足骨に骨折を認めた.足部のコンパートメント内圧を測定すると内側,足底いずれも45 mmHg以上であったため,FCSと診断し,同日緊急で減張切開を施行した.術後,腫脹は軽減し色調も改善した.右足の減張切開部は創閉鎖困難であったため受傷後6日目に全層植皮を行った.足部の骨折については転位がわずかであったため植皮生着後ギプス固定として保存的治療を行い骨癒合良好であった.現在術後6ヶ月で足趾拘縮などの合併症なく独歩可能で経過している.</p>

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