蛍石型酸化物に形成される転位ループ性状と選択的はじき出し損傷の効果

  • 安田 和弘
    九州大学大学院工学研究院エネルギー量子工学部門
  • 安永 和史
    九州大学大学超高圧電子顕微鏡室
  • 椎山 謙一
    九州大学大学院工学研究院エネルギー量子工学部門
  • 松村 晶
    九州大学大学院工学研究院エネルギー量子工学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Nature of Dislocation Loops in Fluorite Structure Oxides and the Role of Selective Displacement Damage

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説明

<p>蛍石構造を有する酸化物セラミックは,放射線照射に対して優れた耐性を示すことから,次世代軽水炉燃料や核変換不活性母相の有力な候補材料となっている.本論文は,電子照射した蛍石型酸化物セラミックス中の転位ループの形成・成長過程を電子照射下「その場」観察により調べたものである.転位ループ性状は電子エネルギーに依存し,酸素イオン副格子にのみ弾性的なはじき出し損傷が誘起されるエネルギー範囲(<1.3 MeV)では,積層不正を伴う転位ループが{111}面上に形成される.一方,陽陰イオン副格子のいずれにもはじき出しが誘起されるエネルギー範囲では,{110}面上に完全転位ループが形成される.透過電子顕微鏡観察および分子動力学計算に基づいて,低エネルギー電子照射により形成される転位ループは酸素イオン副格子の選択的はじき出し損傷に起因した{111}面上の酸素イオンのみにより構成される転位ループであると考察した.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 46 (3), 165-169, 2011-09-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

参考文献 (16)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390565134809511552
  • NII論文ID
    10029694792
  • NII書誌ID
    AA11917781
  • DOI
    10.11410/kenbikyo.46.3_165
  • ISSN
    24342386
    13490958
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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