多波長計測による光音響イメージングにおけるアーチファクト特定・除去のための基礎的検討
抄録
<p>腫瘍や炎症性疾患などで増殖した血管の分布や酸素飽和度の可視化を目指し,光音響像と超音波像を非侵襲かつ簡便に撮像可能なハンドヘルド型超音波プローブを用いた装置を開発した.この装置には計測が簡便であるという利点がある反面,組織境界面での反射によって発生するクラッタノイズによる画質低下などの問題がある.この問題に対して単一波長による計測により画質を改善する方法が考案されているが,その性能は十分とは言えない.そこで本研究では,光音響像を多波長で計測することにより,高輝度部の光音響スペクトルからクラッタノイズを特定・除去する方法を考案した.媒質に吸収を加えた血管模擬ファントムを多波長で計測し,高輝度部の光音響スペクトルを求めた.結果の一例として吸収係数が0.05 /mmの結果を図に示す.求めたスペクトルの差をRMSによって評価した.結果をあわせて図に示す.クラッタノイズと信号源のスペクトルの差のRMSが,深さの異なる同一信号源のスペクトルの差のRMSより吸収係数に関わらず小さいことがわかる.これらの解析をとおしてクラッタノイズのスペクトルは信号源のスペクトルと類似することを確認し,本手法の可能性を実証した.</p>
収録刊行物
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- 生体医工学
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生体医工学 Annual57 (Abstract), S161_1-S161_1, 2019
公益社団法人 日本生体医工学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390565134811950592
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- NII論文ID
- 130007776509
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- ISSN
- 18814379
- 1347443X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可