「45度線モデル」について
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- 松谷 泰樹
- 中央大学経済学部
書誌事項
- タイトル別名
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- The First Creator of the 45-degree Line Diagram: The Economics of Michał Kalecki
説明
<p> 一般の経済学の教科書に掲載されている,有効需要の論理に基づいて国民所得の決定を明らかにしている「45度線モデル」は,「45度線図」を用いて示されているが,それがケインズ経済学によるものであるとの言及にとどまり,その考案者が誰であるのかについては,ほとんど明記されていない。茂木 (2014) や緒方 (2010) によれば,その考案者は Samuelson (1948a) や Klein (1947) であるとされている。また,Krugman (2011) によっても, Samuelson (1948a) が最初の考案者であるとされているが,Cate (2013),Dixit (2012),Guthrie (1997),Montgomery (2010) による経済学説史的研究によれば,Samuleson (1939) が「45度線モデル」の最初の考案者であるとされている。しかしながら,本稿では,現代の教科書に示されている「45度線モデル」には3つのヴァージョンがあることを明らかにするとともに,Samuelson (1939)より以前のKalecki (1929; 1933; 1938) において,すでに「45度線モデル」を構築することができていたということを明らかにする。そして,その「45度線モデル」は,Kalecki (1929) における「福祉の経済学」の視点を考慮に入れれば,容易に,現代の標準的な「45度線図」として描くことができるものであることが明らかにされる。</p>
収録刊行物
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- MACRO REVIEW
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MACRO REVIEW 31 (2), 36-79, 2019
日本マクロエンジニアリング学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390565134813282048
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- NII論文ID
- 130007777727
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- ISSN
- 18842496
- 09150560
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可