文学としてジェノサイドを書く

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タイトル別名
  • Writing a Genocide as Literature
  • ブンガク ト シテ ジェノサイド オ カク

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抄録

<p>本稿では,『プレザンス・アフリケーヌ』誌の諸論考と,コートディヴォワール出身の現代女性作家ヴェロニク・タジョ(1955-)の『イマーナの影』(2000)を読解し,1956年に開催された第1回黒人作家芸術家会議で表明された黒人文化人の意思を,タジョがどのように引き継いでいるかを明らかにする。この会議では,黒人の諸問題を解決するため,黒人作家・芸術家は創作によって役割を果たすべきであると表明された。それから約50年後,タジョは2003年に『プレザンス・アフリケーヌ』に寄せた論考のなかで,アフリカ大陸での紛争を防ぐため,作家は今こそ自らの作品でアフリカを書き,書いたものを通して読者と対話するべきであると主張した。1994年のルワンダでのジェノサイドを取り上げた『イマーナの影』は,この主張の実践であったと考えられる。彼女は文学の表現を通してこの出来事を書き,起きたことを,ルワンダを超えた人間全体の問題として提示している。こうしてタジョは,現代のアフリカ人作家として,アフリカの問題に対する役割を果たそうとしているのである。</p>

収録刊行物

  • アフリカ研究

    アフリカ研究 2018 (94), 73-83, 2018-12-31

    日本アフリカ学会

参考文献 (8)*注記

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