回復期リハビリテーション病棟脳卒中入院患者における栄養状態の程度と栄養支援の効果の関連性
抄録
<p>【目的】回復期リハビリテーション(リハ)病棟へ入院する脳卒中患者の6 〜62%に低栄養を認めるとされている。当院では平成26年より栄養支援が開始され、Albumin(ALB)2.9g/dL以下、または体重減少や食事摂取量低下を認めた患者に対して栄養支援を行っている。本研究の目的は、栄養状態の程度と栄養支援の効果の影響を検討することである。</p><p>【方法】対象は回復期リハ病棟へ入院した脳卒中患者のうち、栄養支援の対象となった25名とした。対象のうち、栄養支援開始時にALB2.9g/dL以下のものを栄養状態低レベル群、3.0g/dL以上のものを高レベル群とした。調査項目は性別、入棟時年齢、在棟日数、栄養支援介入日数、発症日から入棟までの日数、ALB、Body Mass Index(BMI)、Functional Independence Measure(FIM)とした。各項目に、対応のないt検定、χ2乗検定を実施した。有意水準は5%とした。</p><p>【倫理的配慮】本研究は当院倫理委員会の承認を得て実施した。</p><p>【結果】栄養状態低レベル群は14名、高レベル群は11名であった。低レベル群と高レベル群の疾患や、合併症・併存疾患に偏りは認めなかった。低レベル群は、高レベル群よりも有意に女性が多く、高齢で、退院時のBMIやFIMが低い傾向にあった。FIM利得とFIM効率は低レベル群で高い傾向にあった。在棟日数と介入日数は低レベル群で短い傾向にあったが、発症日から入棟までの日数は低レベル群で長い傾向にあった。</p><p>【考察】入院時の栄養障害の程度は、年齢や性別の影響を受け、身体機能の改善やADLの改善を阻害することが示唆された。本研究では栄養状態低レベル群において栄養状態が大きく低下している原因は調査できておらず、今後はより個別的な栄養支援のために、栄養障害の原因を分析する必要があると考えられる。</p><p>【まとめ】回復期リハ病棟において栄養支援の対象となった脳卒中患者の入院時の栄養障害の程度は、退院時の身体機能やADLへ影響を与えることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 38 (0), O-082-, 2020
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390565134813821824
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- NII論文ID
- 130007779645
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可