左主気管支を圧排し咳嗽を呈した迷走神経由来の神経鞘腫の1例

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タイトル別名
  • A case of symptomatic vagus nerve schwannoma displacing the left bronchus

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抄録

<p>【序文】神経原性腫瘍は後縦隔に発生し,交感神経や肋間神経に由来するものが多い.今回,左主気管支を圧排し,咳嗽を呈した迷走神経由来の神経鞘腫を経験した.【症例】咳嗽を主訴とする69歳女性.胃粘膜下腫瘍の精査で施行したCTで左主気管支を背側から圧排する14 mmの結節影を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引法を施行し,神経鞘腫の診断となった.気管支鏡では,膜様部が腫瘍に圧排されていたが,粘膜は正常で主気管支への浸潤はないと判断した.胸腔鏡下縦隔腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は被膜に包まれており,周囲への浸潤はなく,剥離可能であった.迷走神経の分枝から発生していた.手術時間:59分,出血:少量.【考察】神経原性腫瘍で迷走神経由来のものは稀である.多くは無症状で,偶発的に指摘されることが多い.症候性で迷走神経由来の神経鞘腫の手術例は稀であり,文献的考察を加えて報告する.</p>

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