超臨界における玄武岩の熱水変成反応プロセスと物質移動

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タイトル別名
  • Reaction process and mass transfer of basalt in supercritical condition

抄録

本研究では、超臨界条件下における玄武岩と斑レイ岩の流通式反応実験を行い、物質移動と反応プロセスを明らかにすることを目的とする。実験試料は中央海嶺玄武岩と斑レイ岩を用い、反応流体は純水および、玄武岩溶解溶液を用いた。実験は400 ℃、35 MPaの超臨界点付近の温度圧力条件で行った。玄武岩実験では、上流部分ではAn80の斜長石のNa成分が溶脱しAn95以上の組成を持つ多孔質の斜長石及びグロッシュラーが生成した。斑レイ岩実験では、下流に黒雲母の生成が少量見られた。溶液組成を基にした主成分分析と溶存種の化学平衡解析から、玄武岩システムにおいては、実験初期にガラスの溶脱がおこり、斜長石の溶解及びCa斜長石およびCaザクロ石の析出が起こったことが示唆される。一方、同様の全岩化学組成であっても、斑レイ岩は玄武岩にくらべ反応が顕著におそい。すなわち、玄武岩質地殻における超臨界の流通系において、進行する主な反応が、鉱物やガラスの反応速度の違いとそれによるpH変化よって、時間的、空間的に大きく変化することが示唆される。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390565134817052288
  • NII論文ID
    130007786116
  • DOI
    10.14824/jakoka.2018.0_16
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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