宇宙の加速膨張と長距離における重力の変更(最近の研究から)

  • 小林 努
    東京大学大学院理学系研究科附属ビッグバン宇宙国際研究センター:(旧)早稲田大学理工学術院物理学科

書誌事項

タイトル別名
  • Cosmic Acceleration and Modified Gravity(Current Topics)
  • 宇宙の加速膨張と長距離における重力の変更
  • ウチュウ ノ カソク ボウチョウ ト チョウキョリ ニ オケル ジュウリョク ノ ヘンコウ

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抄録

Ia型超新星の観測は,現在の宇宙が加速膨張していることを強く示唆しているが,その起源は現代宇宙論に残された大きな謎である.標準的な描像は,宇宙のエネルギー密度の7割以上を占めるダークエネルギーと呼ばれる未知の物質場が加速膨張を引き起こしている,というものである.これに対し,未知の物質場を導入する代わりに,宇宙論的長距離スケールで重力の法則を変更することによって加速膨張を説明しようという試みが近年注目されている.宇宙の加速膨張の謎は,重力という基本的な力に対する新たな理解を切り開く鍵になるかもしれない.本稿では,長距離における重力理論変更の可能性を探っていきたい.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 65 (8), 621-625, 2010-08-05

    一般社団法人 日本物理学会

参考文献 (19)*注記

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